鉄塔氏作EマウントレンズTETTOR 105mm f4

鉄塔さんと自作レンズを作りましょう、なんて話をして2週間ほど、僕はトイレットペーパーの芯でも使ってレンズ作ってみるか、とググってそれっぽいものが出てきたやつをまずは真似るところから始めようと考えていた。

一方そのころ、鉄塔さんは既に3Dプリンターで自作レンズを完成させていた。恐ろしく早く高い仕事のクオリティに、さすがに驚いた。

このツイートの時点ではf2.5くらいで作っていたみたいだけど、フレアなどの影響から最終的にはf4に落ちついたらしい。 そんなこのレンズ、預かったので早速使用感をレポしていこうと思う。 通常レンズのレポート記事は購入を検討している人に向けて書くものだと思うけど、このレンズに関しては世界で一つしかないので仮に「良い!」と思っても買うことはできない。 作るしかない。僕も3Dデータをもらって自分でも挑戦したいと考えているが、我こそはという人がいたら、鉄塔さんに連絡をとってみると良い。

前置きが少し長くなったけれども、このレンズは普通に写る。ソフトフォーカスレンズのようにはなるけど、中央はちゃんと解像するし、3Dプリントされているが精度があるのでピント合わせも多少ガタつくものの十分可能だ。

百聞は一見にしかず。作例をどうぞ。α7でRAWで撮影しLightroomで現像している。

稲造
遊び終って一息つく稲造
無駄なこと
無駄なことを続けるためにの出版記念展示

いかがだろうか。完全な自作レンズというと遊び要素が強く実用的でないレンズのイメージがあるかもしれないが、このレンズに限っては十分実用可能だと思っている。 妥協して使うものではなく、ソフトに写したい被写体の場合、積極的に利用する価値がある。 3Dプリントした鏡筒は、触った感触などは安い感じがするかもしれないが、軽いのも大きなメリット。鞄に忍び込ませておくセカンドレンズとして、優秀だ。レンズフード抜きで実測310gだったが、Eマウントで近いスペックのSIGMA 105mm F1.4 DG HSMは1720gだ。

普通に写りすぎてつまらないみたいな会話も少し出てくるほどに、優秀なレンズ。自作されたもので世界で一つしかないものを使っているという、贅沢な気持ちも味わえて最高だった。対抗して早く自分のレンズシリーズ(Tokidar)も作らねばと焦っている。

ちなみに、レンズフードもモデリングして3Dプリンターで作っている。すごい。

追記(2019/05/01):
ご本人が製作の記事を公開された
https://i-m-a-g-e.club/tettor/