ケニアでECやウェブサービスが流行らないわけ

日本で当たり前になっている EC 含めたウェブサービスが、ケニアではそこまで普及していない。JUMIA などの大手も苦戦している。結局の所サービスの質の担保が難しく、信頼性のあるプラットフォームができづらい土壌があるからだと個人的には考えている。大きな規模のサービスを作ろうとした場合にプラットフォーム型を選択するプレイヤーが多いけれど、参加してくる人たちが必ずしも最高の質のコンテンツを入れてくれないのだ。

EC を例に取ると、すべての商品を自社で在庫リスク負いながら挑戦するのはなかなか難しいので、在庫を持つ事業者にプラットフォームに参加してもらうような設計になっている場合、正確に(かつ魅力的に)商品の情報を掲載してくれなかったりする。また、在庫の残数の更新も怠っている場合、消費者が購入しても商品がないので届けれません、ということが起こっている。僕は市場調査兼ねて積極的に EC 利用するようにしているけど、個人的に 30%くらいの確率で購入した後に商品がないと言われて落胆している。他にも、商品ページに掲載されていたものと似ているけど違うものが届いたり、故障している商品が届いたことも少なくない。あくまでプラットフォームに徹している場合にサービスの品質が上がりきらないのだ。

不動産サービス(Suumo や Homes 的なもの)も家探しで利用しているけど、物件の写真が違う部屋の写真であることはとても多いし、掲載しているのはブローカーで大家じゃないことも多いので、不正確な情報が載っていることも少なくない。加えて掲載されている家賃は実際大家が貸し出しても良いと考えている値段より高めに書かれていることが多いので、家賃は見に行った後に交渉するのが通例になっていて手間も多い。住みたいエリアを決めたら、自分の足で探したほうが結局早かったりする。日本だと REINS で空き不動産の管理が中央管理できているので、不動産業者が条件にあった他の物件を提示することもできるようになっているけど、こっちではブローカーの場合自分が行ったことのある、仲良くしている大家の物件しか紹介できないので、一つ一つの物件が別の人とコンタクト取らなくてはいけなくなっているのも、ウェブを通したほうが遠回りになってしまう理由の一つになっている。

つらつら不満のようなこと書いてしまったけど、僕はこの状態がいつまでも続くとは思わないし、5 年から 10 年の時間で解決されていくと思っている。タイミングがすべてで、日本だって EC が怪しいもので、一般的に使われない時期もあった。確実に来るであろうウェブの波に乗るために今から仕込むのはとても大切だと思うけど、信頼性を高める工夫がどれだけあるかで明暗が別れてくるんだろう。

REINS なんかは国が運営をしているけど、アフリカ各国で国主導でこれらのシステムが導入されていくイメージもあまりできないので、信頼性ある情報を集約し他の事業者が活用できるようなインフラに近いところを攻めていくのも、面白い戦い方ではないかなと思っている。